戸賀敬城の「イマ」を垣間見れるサイト。「トガナリ。」
シューズクローゼットを開くと、つくづく「俺ってローファー好きなんだな」と思わされます。中でも、ひと際オーラを放つのがこの「アンディ」。以前ご紹介したジョン・ロブ「ロペス」と並び、10足近く所有する戸賀の大定番です。ベルルッティ自体が好きでよく履いたし、様々なメディアで“すべてがドクソウ(独創・独走)している”とよく綴ってきました。工芸品のような製造工程を踏みながら、アート作品のような見た目。中敷きまでパティーヌされており、非のうちどこがない芸術品だよね。喩えるなら「911はロペス、フェラーリはアンディ」といった具合にラグジュアリーなシーンは決まって履きました。誰が言ったか知らないけれど、都市伝説のような話を真に受けて、昔はよくシャンパンでポリッシュしてました(笑)。
トゥのスクエア具合も、デザイナーによって程よくアップデートされているようで、写真のアンディはクリス・ヴァン・アッシュのときのもの(だから、割と最近のもの)。先代オルガがもたらした多彩なカラーメイキングもベルルッティの魅力の一つですが、戸賀の好みはこの少し抜けた黒。仕事にも遊びにも使える、艶っぽさが自分のキャラクターに近しいものを感じてます(笑)。
あらゆる点で自慢したくなるような別格靴ですが(まだ語っていたいのですが)、原稿量的なことを考えて、あえて特筆するとしたら【ソリッドな履き心地】。“あぁ、いま良い靴履いてるなぁ”という高揚感をくれるというか。いまにして思うのは、それは「自信をくれる」ということにほかならなくて、まだ「スーツには紐靴」が当たり前だった頃に、あえてスーツに合わせて履いたりしていました。
そりゃあ、芸術界の革命児:ウォーホルの名を冠されたこの靴だからこそ、
戸賀の(それまでの)「ナシ」を「アリ」に変えてくれる、キーアイテムになるはずですね。
極めてドクソウ的な、自信をくれるローファー
ベルルッティの「アンディ」
戸賀の愛着
ながらくメンズファッションシーンに身を置く戸賀による、自腹を切って買った『私的名品目録』を認めて参ります。とはいえ、様々な媒体で語られているような、客観的なアイテム紹介をするつもりは毛頭ありません。完全主観の“徒然なるままに”スタイルで、戸賀にとってのお気に入りポイントやエピソードを盛り込んだ“愛着”の深掘りができればと思っております。