戸賀敬城の「イマ」を垣間見れるサイト。「トガナリ。」
ボッテガの不屈の名作で、サイズ違いでいくつも所有している「カバ」のオレンジ。これを持っていると、とにかく女性にモテました(笑)。 あまり見ないカラーだからか『ちょうだい』何度言われたことか…。 それでも断り続けたのは理由があって、これが世界に一つ、オリジナルカラーで頂き物だったから。
MENS CLUB就任間もなくミラノに行った際、偶然ボッテガのデザイナーだったトーマス・マイヤーにインタビューができることに。当時(14、15年前)のボッテガにとってトーマスの存在は、正に“中興の祖”。この「カバ」をはじめ数々のイットバッグ、ブランドアイコンを誕生させ、倒産危機ですらあったブランドを見事に復活させていました。プレスに許可を得て、発売前の色見本をトーマスに見せたらめちゃくちゃ喜んでくれて。その場で「君が好きな色のカバを作ってあげるよ」と言ってくれたのです。
トーマスから「ミスター戸賀は、エルメスが好きなんだね(笑)」と言われながらオーダーしたオレンジは(信じてもらえないかもしれないけれど)戸賀にとって幼少期からラッキーカラーだった。ファッション的には、メインにもできて差し色にもできる、そんな合わせやすい色というのは知っていたし、小物も含めてオレンジのアイテムは結構持っているんですよ? 使ううちに上質な革特有の光沢感が出てきて、クタッと柔らかくなる。無駄な装飾を一切排したプロダクトなのに、どこをとってもラグジュアリーなディテールってのが気に入っていて、汚さないように大事に使っています。このLサイズであればゴルフや1泊くらいの旅行にピッタリで、使用頻度は結構高め。
そんな相棒と『MENS CLUB』で駆け抜けた10年。自慢じゃないけど、退任時の売り上げは入社当初の約3倍。自慢じゃないけど(笑)。僭越ながら、戸賀もよぉく「中興の祖」なんて言われました。少なからず、そして戸賀が勝手に、トーマスがくれた「カバ」のおかげと思っています。
とにかくモテた名君のバッグ
ボッテガヴェネタの「カバ」
戸賀の愛着
ながらくメンズファッションシーンに身を置く戸賀による、自腹を切って買った『私的名品目録』を認めて参ります。とはいえ、様々な媒体で語られているような、客観的なアイテム紹介をするつもりは毛頭ありません。完全主観の“徒然なるままに”スタイルで、戸賀にとってのお気に入りポイントやエピソードを盛り込んだ“愛着”の深掘りができればと思っております。