戸賀敬城の「イマ」を垣間見れるサイト。「トガナリ。」
10年来の愛用品を“自慢”させていただいてるこの『戸賀の愛着』。皆さまの中にも、お気に入りのバイクや買ったばかりのクラブセットを観ながら一杯やるのが幸せ…。そんな経験ある方も少なくないのではないでしょうか(笑)。今回は、番外編と称して“これからの10年(に必要なモノ)”について考えてみたいと思ったのです。
下手の横好きですが、仕事をさせていただいたことを契機にウイスキーのロックを嗜むようになりました。「I.W.ハーパー 12年」その名の通り長い月日をかけて熟成させたプレミアムバーボンというやつです。家ではハイボール一辺倒だった戸賀ですが、こいつはロックでいい、ロックがいい。スモーキーな香りが、本物感というか、美味しいなぁ…と。本当に美味しいウイスキーは、人の思考を止め、ただジッと見つめさせる魔力を持っているようです(笑)。思い返せば僕が編集者になった頃、いまから約30年くらい前は、先輩連中がよく御三家ホテルでウヰスキーをロックで嗜んでいた。こうして氷を溶かしがら、スモーキーな味わいのグラデーションを感じる…。それが非常に、大人なイメージだったのです。
いまでも“高尚な趣味”であることは間違いないのですが、古くはI.W.HARPERの存在がウイスキー自体の品質や品格を底上げしたことに一役かったのだそう。その業界ではパイオニア的存在、というワケです。
とりたててウイスキーに詳しいわけではないので、細かいハナシは抜きにして、この10余年でレストランやバーからウイスキーが消えていっている?と感じておりました。あったとしても“シャンパンより高くない!?”と驚くような値段に…。気が付けばいつの間にか手の届かない、手に入らない存在になっていたような気がします。樽の数は変わらないのに、本当に旨いと思えるウイスキーの需要は(世界的に)高まっているのだと思います。
一方で、いつの間にか高嶺(高値)の花となった“あの子”に逢えても、相性が良いとは限らない(笑)。結局、ハイボールにして“もったいない”なんて言われる始末です。それを考慮すると、日本限定で再販となったI.W.ハーパー 12年は相性がとても良いようで。希少価値は二の次で、ただただ…旨い。
いや、もしかしたらこの子の“お味”は変わっていなくて、やっと旨いと思えるようになったのかもしれない。あのころ背中を見ていた先輩たちにやっと追いつけた気がするし、何より業界のパイオニア、牽引者としての品格やエピソードを含めて「美味い」を演出してくれているのかも。変わり続けてきたからこそ、この変わらない味と相対することで自分を褒めてあげることができる。
だとしたら、これからの10年も変わらない味であろうI.W.ハーパー 12年は『戸賀の愛着』にふさわしいと思ったのです。
常に変わろうとする自分、褒めてくれる変わらない味
I.W.ハーパー 12年
戸賀の愛着
ながらくメンズファッションシーンに身を置く戸賀による、自腹を切って買った『私的名品目録』を認めて参ります。とはいえ、様々な媒体で語られているような、客観的なアイテム紹介をするつもりは毛頭ありません。完全主観の“徒然なるままに”スタイルで、戸賀にとってのお気に入りポイントやエピソードを盛り込んだ“愛着”の深掘りができればと思っております。