戸賀敬城の「イマ」を垣間見れるサイト。「トガナリ。」
雑誌『メンズクラブ』の編集長になってすぐに行ったミラノコレクション。日本を代表する老舗媒体、その10代目編集長に就任(自分で言うことでもないけれど)そんな誇らしい大看板を引っ提げて乗り込んだ、思い出深い年でした。フロントローには、世界中のファッションフリークが縮み上がってしまうような著名なアーティスト。あるいは「週間少年ジャンプ」よりも発行部数の多い世界的ファッション誌の編集長クラスが並んでいるワケです。そこで、何の気なしに目がいったのは彼らの腕元。世界の御仁が、どんな煌びやかなウォッチを巻いているのかな?と…。
僕の期待を裏切ってくれたのが、まさにタグ・ホイヤー「モナコ」。フロントローに座る世界的に有名な雑誌の編集長クラスが、こぞって巻いていて。世界初の“スクエア防水”であったことや、かの有名な『モナコ・グランプリ』をオマージュして創られたモデルであり、何よりマックイーンの愛した腕時計であること。数年前まで時計雑誌に携わっていた訳ですから、それなりに逸話も知っていたし詳しいつもりでしたが、とにかく衝撃的だった。
すぐにタグ・ホイヤー ジャパンのPRに連絡をして「イタリアでは、モナコが流行っているね!」お手隙でちょっと調べてみてよと伝えておくと、すぐに折り返しが。「トガッチすごいです! イタリアではモナコの占有率が日本の約10倍ですって!」現地で目にした、これが本当のリアルトレンド!と思いましたね。
帰国してすぐに『メンズクラブ』で企画を出し、案の定これが大当たり。トントン拍子に日本でもモナコ旋風が巻き起こり、それから毎月、タグ・ホイヤーから広告をいただいていました。それも僕の任期中ずっと、つまり約10年間! トレンドにはちゃんとお金を払って手を出す主義でしたから、その10年で大分手を出しましたね(笑)。海外には様々な「モナコ」があって、左リューズやパイソンベルト、片面クオーツのダブルフェイス仕様、液晶ダイヤルなどなど…。一番買ったモデルであることは間違いありません。
戸賀の時計人生、いや人生に大きな影響を与えてくれた「モナコ」そしてタグ・ホイヤー。とはいえこれも、まだまだ“出会い”のおハナシ♡ 「モナコ」との蜜月期間にあった、戸賀唯一の自慢話はまた次回にとっておくとします。
神をも恐れぬ“情熱”
タグ・ホイヤーの「モナコ」
戸賀の愛着
ながらくメンズファッションシーンに身を置く戸賀による、自腹を切って買った『私的名品目録』を認めて参ります。とはいえ、様々な媒体で語られているような、客観的なアイテム紹介をするつもりは毛頭ありません。完全主観の“徒然なるままに”スタイルで、戸賀にとってのお気に入りポイントやエピソードを盛り込んだ“愛着”の深掘りができればと思っております。