戸賀敬城の「イマ」を垣間見れるサイト。「トガナリ。」
雑誌『メンズクラブ』10代目編集長の任期中に、タグ・ホイヤーとの蜜月期間を経て、念願中って別注企画が実現しました。タグ・ホイヤー「モナコ」は戸賀の中で、いくつになっても“漢の時計(しかもクルマ好きの)” というイメージ。デザイン性と機能が極限までバランスされており、スポーティだけどダイバーズほど洒落ていない不思議なポジションで。男くさい、男が想う格好良い時計なのです。 当時紙面で『神をも恐れぬ別注企画』と銘打つほど“リキ入っちゃって”なプロジェクト。資料を用意して、バーゼルに持って行って現場でプレゼンしたんですよ(笑)? そうしたらタグ・ホイヤー本国の人たちにめちゃくちゃぶっささって「よし、やろう!」と言ってくれてさ。CGがあがって、写真があがってきて…。1年後に同じバーゼルの会場で、実機があがっていたのです!
プッシュボタンとリューズが逆配置になっていたり1、5、7、11のバーインデックスが横に寝かされたフェイスデザインなど、できる限り初代モデルの仕様を踏襲。タグ・ホイヤーファンも“グッ”とくるようなデザインにしました。
もうちょっと男っぽい感じにしたくて、ベルトをパンチングに変更。逆に、汗臭くなりすぎぬようベルト裏は赤にしてみました。「モナコ」は元々、秒針やインデックスにイタリア国旗を思わせる赤をアクセントカラーにしていたから、愛称は抜群という確信をもって。
初代モデルの機能美に、今っぽさと戸賀っぽさを品よくマリアージュできた! バーゼルの会場で、出来上がった実機をしげしげと見つめていると…。偶然通りがかった“ウブロ再建人”と呼び声の高い、時計界のスーパースター:ディーバーが! さらに、戸賀別注を見て一声「これは世界で売った方が良い!」とな(笑)。ダメだよ、戸賀別注なんだから!PRにあくまで別注モデルとして発売する、と押し切ってもらいました(笑)。こうして、ディーバーに太鼓判をいただいて、『メンズクラブ』誌面とタグ・ホイヤー店舗で売られることに。世界限定100本で、当然のように即完売です。
言い忘れていたけどこのハナシ、ずいぶん前半の方から「前代未聞」ばかり。プロジェクト進行中も、誰もが予想していなかった未来にたどり着きました。
リーマンショックがあって、様々なトレンドの転換期にあった時代にあったこと
そのとき、老舗雑誌の編集長だったこと。
「モナコ」を見つけて、きちんと評価でいたこと。
タグ・ホイヤー ジャパンと良い関係だったこと。
アンバサダーにディカプリオが就任して、インタビューがとれていたこと。
“出会い”という運には恵まれてきたと、つくづく思います。些細なことも含め、本当に多くのご縁が幾重にもなって生まれた奇跡。もちろん宝物のように自宅に飾っています。我が家に来た人が、ほぼ100%、説明を受ける時計です(笑)。
続・神をも恐れぬ“情熱”
タグ・ホイヤー「モナコ Men’s CLUB別注」
戸賀の愛着
ながらくメンズファッションシーンに身を置く戸賀による、自腹を切って買った『私的名品目録』を認めて参ります。とはいえ、様々な媒体で語られているような、客観的なアイテム紹介をするつもりは毛頭ありません。完全主観の“徒然なるままに”スタイルで、戸賀にとってのお気に入りポイントやエピソードを盛り込んだ“愛着”の深掘りができればと思っております。